会社・法人の破産手続きの流れ〜破産開始決定後から〜

@破産開始決定

     

A破産管財人の選任

 裁判所が法人の破産開始決定をだした後は、法人の財産の処分権限は管財人(多くは申立てを行った弁護士とは違う事務所の弁護士)に移ります。

 管財人は、その名の通り、破産する法人の財産を管理回収し、配当が可能である場合には債権者に配当することになります。

 通常、管財人が決まると、代表者は管財人から面談を求められ、この面談の際に、当該法人が破産に至った事情や、法人保有財産の回収に関して、管財人に対して説明を行うことになります。法人の代表者や役員は、管財人に対して説明義務を負っていますので、これらの説明を行う必要があり、説明の拒否、虚偽の説明を行った場合には刑事罰も定められています。

     

B債権者から債権届出書の提出

債権者が裁判所に債権届出を行い、管財人が各債権者の債権を調査します。

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C(事案によって)債権者説明会

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D財産の回収手続き

破産する法人等の財産を破産管財人が事前の調査等に基づき、回収します。
回収手続きのうえ、配当が不可能な場合は債権者集会の後Eへ、配当が可能である場合はFへ。

                                  

E配当財産の回収ができなかった場合

財団債権(破産管財人の報酬や税金など、破産に影響されない債権)の支払の後、破産手続きが廃止され、官報に公告されます。以上で破産手続きが終了となり、会社・法人は消滅します(Eの場合には、基本的にはここで手続き終了)

     

F配当が可能となる財産が回収できた場合

管財人による認否の後、配当手続き(※注1)が行われます。

     

G債権者集会

任務の終了に伴い、計算報告のための債権者集会を開きます。

     

H裁判所の終結決定

財産回収の目処がなくなった時点で当該会社・法人の破産手続きに終結決定がなされます。官報に公告されたのち、破産手続きが終了となり、会社・法人は消滅します。


※注1 配当とは

 破産債権者に、その債権額に応じた額を分配することを配当といいます。
配当は、法人の債権調査が終了して、破産債権者の範囲と債権額が確定し、法人の破産財団に属する金銭が回収できたときに行われます。

 配当は、債権者の異議があると、債権確定のための裁判手続き等が必要となることから、疎明資料(契約書等)を保管しておくと良いです。
また、別除権付債権(抵当権など、破産や再生手続きに左右されずに、担保物件を処分することで回収ができる権利)については、別除権の放棄や別除権の確定等により、担保がなくなったことを一定期間内に証明しなければ配当に加わることができません。