会社・法人代表者(社長)の破産
皆様が経営する会社の業績が不幸にも悪化してしまい、これ以上、立ち行かなくなった場合に、会社を整理することは、社長ご自身の人生の再スタートをきるための第一歩となります。
会社を整理する場合、会社の債務について、代表者の方が連帯保証している場合が多いので、会社とともに代表者の方も自己破産することが多いのが実情です。
しかし、自己破産をしたとしても、前述のとおり、特段のデメリットはございません。むしろ、思い切って会社の法的整理(自己破産の申立て)を実行することで、これまでの債務を免責してもらい、人生の再スタートをきる第一歩となるでしょう。
まず、社長個人が自己破産の申立てをしても、99万円までであれば、自由財産として、現金を含む財産を引き続き保有することが認められますし、自己破産の申立てをしてから免責の決定を受けるまでの間、一定の職業(警備員や保険の外交員等)に就けないなどの不利益はありますが、会社にそれほどの財産等がなければ、破産手続自体は3か月程度で終了することが多いため、不利益と言っても一時的なものです。
また、裁判所に出頭する回数も、債権者集会の際の1回か、多くても2回程度です。さらに、破産手続中でも、前述のとおり、一定の職業以外は就業制限がありませんので、普通に仕事をすることができますし、ごく普通の生活を送ることができます(ただ、転居をする場合や宿泊を伴う旅行に行く場合には、裁判所の許可が必要となります)。
会社の法的整理及び社長個人の自己破産をしたとしても、ごく普通の生活を送ることができますし、これまでの債務を免責してもらうことにより、社長ご自身の人生の再スタートをきることができますので、当事務所では、そのためのお手伝いをさせていただければと考えております。
会社の代表者が破産手続きをとる場合、法人とは別に、個人で自己破産を(基本的には並列して)行っていくこととなります。
時々、法人が破産すれば、当然に代表者も破産させられると思っておられる方がいらっしゃいますが、それは誤解なのです。(個人の自己破産についてはこちらのページをご参考にしてください。)
逆のことを申し上げますと、会社が破産したからといって、必ずしも会社の代表者が自己破産しなければならないわけではございません。また、会社の代表者だけが自己破産をして、会社はしないといったことも(多くはありませんが)ないわけではございません。以下に詳細を記載します。
いずれか一方が破産しなくても良い場合
〜会社・法人が破産して、代表者が破産しない場合〜
例として、代表者個人に持ち家があり、住宅ローンが残っているような場合には、代表者個人が自己破産してしまうと家を手放さなければならなくなってしまいます。
そのため、こういったケースにおいては、会社・法人だけ破産手続きをとり、代表者個人は民事再生(個人再生)など、別の手段で債務を整理するほうが良い場合もございます。
事情としては少々特殊ではございますが、まずは当事務所の無料相談にて、弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
〜代表者が破産して、会社・法人が破産しない場合〜
例として、会社・法人は完全に休業・営業停止状態であって、資産(プラス)も負債(マイナス)も殆ど無い場合で、かつ、会社・法人の代表者個人だけに、個人的に多額の債務があるような場合は、敢えて会社・法人の自己破産を申し立てる必要もないので、こういった場合は代表者個人だけ自己破産の手続きをとる場合もございます。